Drop Dと全音下げは同じ?6弦だけ下げる調弦とDスタンダードの違い

「Dに下げてください」と言われ、全部の弦を下げるのか、太い6弦だけなのか迷うことがあります。Drop DとDスタンダードは、どちらも一番低い開放弦がDですが、同じチューニングではありません。

ここでは、通常の標準チューニングから変更する、6弦ギターのカポなしの例を扱います。弦を回す前に、楽譜の調弦名と6本の音名を確認してください。

6弦だけ変えるか、6本すべて変えるか

Fenderの説明では、Drop Dは低い6弦Eを全音下のDへ変え、ほかの5本は標準チューニングのままにします。(資料1)一方、UbisoftのDスタンダードの説明では、すべての弦を全音ずつ下げます。(資料2)

弦 標準 Drop D Dスタンダード
6弦・最も太い弦 E D D
5弦 A A G
4弦 D D C
3弦 G G F
2弦 B B A
1弦・最も細い弦 E E D

表の並びは6弦から1弦です。Drop Dは「D A D G B E」、Dスタンダードは「D G C F A D」。低い弦のDだけを見て判定しないことがポイントです。

Drop Dで、曲全体が自動的に全音下がるわけではない

Drop Dで変えるのは6弦だけなので、1〜5弦の同じフレットで鳴る音は、その変更だけでは下がりません。一方、6弦は同じフレットを押さえても、標準時より全音低くなります。これは表の調弦差から分かることです。

そのため、「歌いやすくするため、曲全体を全音下げたい」という目的と、「Drop D指定のギターパートを弾きたい」という目的は分けます。Drop Dへ変えるだけで、標準調弦の楽譜が丸ごと移調されるわけではありません。

Dスタンダードでは全弦を同じ幅だけ下げるため、カポなしで同じフレットの形を使えば、標準時より全音低い音の組み合わせになります。ただし、コード名を実際の響きで書いているのか、押さえる形で書いているのかは、教材の説明を確認します。

低い3本の形も、同じに考えない

Drop Dの6・5・4弦を開放で鳴らすと、D・A・高いDになります。FenderはこれをDのパワーコードの例として示しています。(資料1)

これはDスタンダードの6・5・4弦「D・G・C」とは別の並びです。Drop D用の押さえ方を、そのままDスタンダード用として覚えないでください。

既存のTAB譜を使うときも、数字を見る前に調弦の注記を確認します。同じ「0」や「3」でも、元の弦の音が変われば、実際の音は変わります。

調弦前に、チューナーと楽器の扱いを確かめる

最初に目的の音名を紙や画面で確認し、チューナーがその調弦を扱える設定か、またはクロマチック方式かを説明書で確かめます。ヤマハはクロマチックタイプを12半音すべてを扱う方式として説明しています。(資料3)現在の全製品の設定や表示を一律に決める説明ではありません。

「ペグを必ず手前に回す」とは覚えず、自分が操作するペグと弦の対応、音が低くなる方向を確認します。Drop Dへ向かう場合、標準の低いEから低いDへ変えるのであって、高いDまで締め上げる操作ではありません。

調弦変更の扱いが分からないブリッジやロック機構がある場合は、その楽器の説明書や販売店に先に確認してください。本記事は、ロックの解除やブリッジ調整を共通手順として指示するものではありません。

レッスンには、名前と6本の音名をセットで伝える

「Dチューニングにしました」だけでなく、「Drop Dで、6弦からD A D G B Eです」と伝えると、食い違いを減らせます。標準へ戻したつもりでも違和感があるなら、6本すべてを確認しましょう。

迷ったときは、音を下げ始める前に譜面の調弦名を確定すること。似た名前を、同じ操作にしないことが大切です。

参考資料

  1. Fender — Drop D Tuning on Guitar https://www.fender.com/articles/setup/drop-d-tuning-on-guitar 確認日:2026-10-11

  2. Ubisoft / Rocksmith+ — How To Tune a Guitar to D Standard(調弦の定義部分) https://www.ubisoft.com/en-gb/game/rocksmith/plus/news-updates/1Wxu2VpovQL5hDA3rl7Xby/how-to-tune-a-guitar-to-d-standard 確認日:2026-10-11

  3. ヤマハ — アコースティックギターの弾き方:チューニングをマスターしよう https://www.yamaha.com/ja/musical_instrument_guide/acoustic_guitar/play/play002.html 確認日:2026-10-11