お手本をゆっくり聞きたくて、楽譜の「120」を「80」に書き換えた。練習だけのつもりだったのに、先生に見せる譜面まで変わってしまった。Flatには、楽譜の指定を編集せずに再生を遅くする方法があります。
まず、曲として残すテンポと、今日の練習で聞きたい速さを分けましょう。
自分の練習だけ遅くするなら、再生速度を選ぶ
Flatの公式ヘルプは、テンポ記号を楽譜に記す速度の指定、再生速度をその時点のテンポへ掛ける倍率として区別しています。再生速度の変更は楽譜へ記されず、楽譜データにも保存されません。(資料1)
操作は、再生ボタン右側の下矢印から再生の設定を開き、速度のプラス・マイナスを使う手順です。楽譜の編集権限がない利用者でも、再生速度を変更できると案内されています。(資料1)
先生が用意した楽譜を見て練習する場合、譜面へ新しいテンポを書き込む前に、この違いを確かめてください。
75%は「テンポ75」という意味ではない
再生速度は、元のテンポに対する割合です。ここでは説明用に、四分音符を基準とするテンポ120の部分を、75%で再生すると仮定します。
計算は120×0.75=90です。同じ楽譜の別の部分にテンポ90が書かれていれば、その部分は90×0.75=67.5となります。75%にしたから、どの部分も同じテンポ75になるわけではありません。
| 楽譜に書かれたテンポ | 再生倍率の例 | 計算上の速さ |
|---|---|---|
| 四分音符=120 | 75% | 四分音符=90 |
| 四分音符=90 | 75% | 四分音符=67.5 |
これは公式ヘルプの倍率という説明から計算した例です。特定の練習に75%が最適だという推奨でも、実際の画面が小数まで表示するという説明でもありません。
数字だけでなく、元のテンポがどの音符を基準にしているかも一緒に読みます。違う単位のテンポを、数字だけで比較しないようにしましょう。
曲の指定を直したいときは、テンポ記号を編集する
作曲や編曲として、曲の速さ自体を変えるなら別です。Flatでは、既存のテンポ記号をクリックするか、小節のツールからテンポを編集する方法が案内されています。(資料2)
新しいテンポを入れるとき、範囲を選んでいない場合は次のテンポ記号または曲末まで適用されます。複数小節に限って変更する場合は、その範囲を先に選ぶ手順です。(資料2)
練習を遅くしたいだけなのか、作品として残す指示を変更したいのか。その判断を先にすれば、不要な書き換えを避けられます。
テンポと倍率を同時に変えたら、両方を見直す
楽譜のテンポを120から90へ直したうえで、再生速度も75%にすれば、計算上は67.5になります。「少し遅くしたつもりなのに極端に遅い」と感じた場合は、二つの設定を確認します。
本記事では、比較するときは片方ずつ変更することを提案します。元の譜面を基準にして倍率だけを変えるか、倍率を100%に戻して書かれたテンポで聞くかを決めましょう。
速さが意図と違っても、音符の長さを書き換えて合わせる必要があるとは限りません。まず再生条件から切り分けます。
次回の練習用には、元の指定と倍率を一組で残す
再生速度は楽譜に保存されないため、次に開いても同じ条件だと決めず、練習前に表示を確認します。(資料1)メモには「テンポ120の箇所を75%で、8〜12小節」のように、場所と条件を残せます。
先生へ「90で弾きました」と伝える場合も、元の指定が90だったのか、120を75%にしたのかが分かると相談しやすくなります。
楽譜の指示を守ることと、練習中の再生を遅くすることは両立します。作品に残す変更か、今回だけの練習条件かを分けて使ってみてください。
参考資料
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Flat — Playback Speed https://help.flat.io/en/music-notation-software/playback-speed/
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Flat — Tempo marks https://help.flat.io/en/music-notation-software/addtempo/
確認日:2026-10-12