チョーキングの半音・全音はどこまで?指の移動量より目標の音で確かめる

チョーキングで弦は動かせるのに、曲と合わせると音が外れて聞こえる。確認したいのは、弦を何センチ動かしたかより、どの高さの音に到着したかです。

ここではエレキギターの、押さえた弦を指板の幅方向へ動かして音を上げる基本的なチョーキングを扱います。ナットの外側を押す奏法や、大きな音程のチョーキングを最初から試す手順ではありません。

半音は1フレット分、全音は2フレット分の音程

ギタリストのJared James Nicholsは自身のレッスンで、まず半音離れた2音を普通に弾き、低い方をチョーキングして高い方の音程へ合わせる方法を示しています。半音は1フレット分、全音は2フレット分に相当します。(資料1)

これは「弦をフレット1個分の長さだけ横へ引く」という意味ではありません。比較しているのは音の高さです。弦や楽器が違っても、半音・全音という目標まで別の意味になるわけではありません。

指定 比較する目標 この練習例での確認先
半音 元の音より半音高い音 同じ弦の1フレット上
全音 元の音より全音高い音 同じ弦の2フレット上

先に目標音を覚え、後から近づける

本記事の自作例では、1弦5フレットを出発点にします。半音の練習なら6フレット、全音なら7フレットを普通に弾き、その音を短く覚えてから5フレットへ戻ります。次に5フレットの音を出し、チョーキングして目標へ近づけます。

この練習では、目標を鳴らすときにはフレットを移動しますが、チョーキングするときには5フレットの位置で弦を動かします。7フレットまで指を滑らせて到着する練習とは分けてください。

「半音の目標を鳴らす→半音上げてみる」と「全音の目標を鳴らす→全音上げてみる」を別々に行います。最初から交互に速く弾くより、自分が何に合わせようとしているかを見失いにくくなります。

上がりすぎと、届かない状態を分ける

音程が合わないと感じたら、まず目標音を弾き直します。そのうえで「目標より低いまま」「一度は合うが、その先まで上がる」「到着後に下がってしまう」のどれかをメモしてみましょう。

この分類は練習を整理するための提案であり、手の形や楽器の不具合を診断するものではありません。音の高さを聞き分けにくい場合は、先生に2つの音を続けて弾いてもらい、自分の演奏と比べます。

狙った音へ届かせるために、指先や手首の痛みを我慢して力を足すことは勧めません。手を添える位置や指の支え方は、実際の楽器と手を見てもらって調整してください。

bや矢印を見たら、上げ幅と戻し方も確認する

FenderはTAB譜で使われる記号の一つとしてbを紹介しています。(資料2)ただし「bがあれば必ず全音」という意味ではありません。どの音まで上げるか、上げたままにするか、元へ戻す音も鳴らすかは、譜面の数値・矢印・凡例で確認します。

目標まで到着できた後は、到着のタイミングにも注目します。拍の頭で目標音が必要なのか、拍の間でゆっくり上がるのかを、音源や先生の実演と照らし合わせましょう。

チョーキングの練習は、弦を大きく動かせるかという競争ではありません。まず目標を決め、その音を聞いてから近づける。この順序が、次に直す部分を見つける入口になります。

参考資料

  1. Guitar World — Jared James Nichols on how to bend the strings expressively(本人によるレッスン本文、見出しを短縮表記) https://www.guitarworld.com/lessons/artist-lessons/jared-james-nichols-on-how-to-bend-your-strings-expressively 確認日:2026-10-11

  2. Fender — How to Read Tabs https://www.fender.com/articles/techniques/how-to-read-tabs 確認日:2026-10-11