ピアノの真ん中のペダルは練習用?グランドとアップライトの違い

家のアップライトピアノでは、真ん中のペダルを踏むと音が小さくなる。そこで教室のグランドでも同じように踏んだのに、静かにならなかった。これは故障とは限りません。同じ中央の位置でも、ペダルの役割が違う場合があるからです。

まずは一般的なアコースティックピアノの違いを知り、そのうえで手元の機種を確かめましょう。

「音を小さくする」と「選んだ音を保つ」は別

ヤマハの楽器解説では、グランドの中央はソステヌートペダル、アップライトの中央はマフラーペダルとして説明されています。(資料1)

解説にある一般的な例 中央ペダルの役割
グランドピアノのソステヌート 選んだ音を伸ばす
アップライトのマフラー フェルトを挟み、音を小さくする

どちらも中央にあるという共通点だけで、同じ練習へ使えるとは決まりません。家で弱音用に使った足の動きを、教室でそのまま繰り返せば同じ効果になる、とは考えないようにします。

この比較は、すべての機種に例外なく当てはめる表ではありません。最初に違いを理解するための基本です。

グランドのソステヌートは、踏む順序が大切

ヤマハはソステヌートについて、ペダルを踏む直前に弾いた鍵盤のダンパーを上げた状態に保ち、選んだ音を持続できると説明しています。ダンパーは、弦の振動を止めるための部品です。(資料1)

flowkeyの解説も、踏んだ時点ですでに弾いている音を保ち、その後に新しく弾き始めた音は同じようには保持しない、と説明しています。(資料2)先に中央ペダルだけを踏み、後から音を出す操作では、選びたい音を同じ条件で保てません。

確かめるときは、ソステヌートであると分かった楽器で、右のペダルを使わず、先生に一音で示してもらう方法があります。鍵盤を押したまま中央ペダルを踏み、その後に指を離す順序です。続けて別の音を弾き、最初の音と同じ残り方をするか聞きます。

これは機能を理解するための確認例です。実際にどの音をどれだけ保つかは、曲のペダル指定と別に練習します。

アップライトのマフラーは、響きを弱める仕組み

ヤマハが紹介するマフラーペダルは、ハンマーと弦の間へ薄いフェルトを下ろし、音を大きく抑えるものです。練習用ペダルとも呼ばれます。(資料1)

こちらは、ソステヌートのように特定の音を選んで伸ばす説明ではありません。同じ中央ペダルでも、何を変えているかが違います。

音が小さくなることを、音が完全になくなることや、夜間でも周囲に聞こえない保証とは受け取らないでください。実際に弾く時間や住まいの条件を含め、練習できる範囲は別に確認する必要があります。

また、音量や響きの変化を踏まえ、教室のお手本と自宅練習を比べるときには、弱音用の機能を使ったかどうかも伝えます。演奏の違いと、楽器をどう使ったかの違いを混ぜないためです。

中央があるからソステヌート、とは決めない

flowkeyは、中央ペダルにはソステヌート以外に、低音だけを保つものや練習用のものがあると説明しています。また、古いピアノには中央ペダル自体がないものもあります。(資料2)

そのため、機能を知りたいときは「ペダルが三つあります」だけでなく、メーカーと型番を確認します。電子ピアノについても、外見が似ているからアコースティックと同じ効果と推測せず、機種の取扱説明書でペダルの名称と機能を見てください。

説明書で分からない場合は、販売店や講師へ型番と症状を伝えます。ペダルの名称が不明なまま、強く踏んだり、引っ掛け方を試したりして確かめる必要はありません。

レッスンの宿題は「どの効果を練習するか」で持ち帰る

先生から中央ペダルを使う課題が出たら、「この音だけを伸ばす練習ですか」「家の中央は弱音用ですが、同じことができますか」と確認します。家の楽器にない効果なら、別の練習方法を相談する段階です。

反対に、自宅で小さな音で練習したいだけなら、必要なのはソステヌートの奏法練習ではありません。楽器の弱音機能と周囲への聞こえ方を確かめる話になります。

位置ではなく役割をそろえると、家と教室でペダルの反応が違っても、何を確認すればよいかが分かります。真ん中だから同じと思わず、名前、操作の順序、求める効果を一組で確認しましょう。

参考資料

  1. ヤマハ — Grand or Upright?(Differences in the pedals) https://jp.yamaha.com/products/contents/musical_instrument_guide/piano/selection/index.html

  2. flowkey — Piano Pedals: What do they do and how to use them https://www.flowkey.com/en/piano-guide/piano-pedals

確認日:2026-10-10