C5の5は「5本弾く」ではない?パワーコードの音と弦の本数を分ける

C5というコード名を見て、「5本の弦を鳴らすのか」「Cの5フレットなのか」と迷ったら、コード名と運指を分けて考えましょう。

C5はCを根音とするパワーコードです。5は弦の本数やフレット番号ではなく、根音に対する5度の音を含むことに関係する表示です。(資料1・2)ここでは、標準チューニングの6弦ギターで、C5の中身を確かめます。

C5の基本はCとG

MusiccaはC5をCとGの2音からなる和音として示し、Cメジャーから長3度を除いた形と説明しています。Fenderも、パワーコードの基本を根音と5度の組み合わせとして説明しています。(資料1・2)

「根音」は、ここではコードの名前の基準になる音です。C5ならC、そこに重ねる完全5度の音がGです。「5度」を、5フレット移動するという指示へ読み替えないようにします。

2種類の音でも、3本の弦を使える

次は構成音を確かめるための自作の配置例です。左から6弦→1弦の順で、xは鳴らさない弦です。

配置例 鳴らす弦とフレット 実際の音の並び
x 3 5 x x x 5弦3、4弦5 C・G
x 3 5 5 x x 上の2本に3弦5を追加 C・G・高いC

下の形は3本の弦を鳴らしますが、新しい種類の音を加えたわけではありません。Cをオクターブ違いで重ねています。Fenderも、パワーコードに根音や5度のオクターブを重ねる形を認めています。(資料1)

この表は、標準チューニングの各弦の音とフレット位置から確認した例です。別の調弦では同じ番号を押さえても、この音の並びになるとは限りません。指番号の指定でもないため、指の使い方は教材や先生の指示と併せて決めてください。

C、Cm、C5は、同じ省略名ではない

CメジャーはC・E・G、CmはC・E♭・Gです。C5には、その違いを作るEもE♭もありません。(資料2・3・4)

コード 基本となる音の種類
C C・E・G
Cm C・E♭・G
C5 C・G

したがって、「パワーコードだから必ず明るい」「必ず暗い」と決めるより、まず3度を含まない組み合わせだと理解します。曲全体の響きまで、この二つの音だけで決まるわけではありません。

また、CやCmの代わりにC5を使えば、演奏している構成音は変わります。練習用の簡略化として採用する場合も、「元のコードと同じ音を全部鳴らしている」とは説明しません。

形を覚えたら、余計な弦も確認する

自作例の3本形では、5・4・3弦だけを一本ずつ鳴らし、次にその3本を一緒に鳴らします。最初から6本全部を弾くのではなく、狙った範囲に収める練習にしてください。

ほかの弦が鳴る場合は、形を押さえることと、鳴らす範囲を選ぶことを分けて先生に見てもらいます。音を歪ませる設定の前に、何の弦が聞こえているかを確認する方法もあります。

コード名、音、弦の本数を別々に答えられるようにする

C5を見たとき、「名前の基準はC」「基本はCとG」「この形では3本の弦でCを重ねる」と説明できれば、数字に引っ張られずに読めています。

レッスンで相談するなら、「3本の形を使うこと」と「CやCmをC5へ置き換えること」を別の質問にします。前者は音の重ね方、後者は構成音を変える判断です。この区別ができると、簡略化した伴奏を使うときも意図が明確になります。

参考資料

  1. Fender — What Is a Power Chord? https://www.fender.com/articles/chords/what-is-a-power-chord 確認日:2026-10-11

  2. Musicca — C5 コード https://www.musicca.com/jp/dictionary/chords/c-power 確認日:2026-10-11

  3. Musicca — C chord https://www.musicca.com/dictionary/chords/c-major 確認日:2026-10-11

  4. Musicca — Cm chord https://www.musicca.com/dictionary/chords/c-minor 確認日:2026-10-11