弾いた音がヘッドホンへ返るまでの遅れを減らしたくて、DAWのバッファーサイズを最小にした。ところが今度は、プチプチした音や音切れが出る。これは「まだ設定を小さくし足りない」と考える場面ではありません。
バッファーの小ささと、安定して処理できることは別です。この記事は、手元のパソコンとDAWでの録音・再生を対象にします。オンラインで離れた相手と合奏する際の通信遅延を、同じ設定だけでなくせるという話ではありません。
小さくすると遅れを減らせても、処理が間に合わないことがある
Abletonは、小さいバッファーが遅延を減らす一方、処理が間に合わなければノイズや音切れにつながると説明しています。音切れが起きる場合は少しずつ値を上げ、各設定で再生を確認するのが公式の案内です。(資料1)
考え方は「最小値を選んで終了」ではなく、「この曲を安定して扱える範囲を探す」です。ほかの人が使う数値を、そのまま自分の正解にはできません。
同じ箇所で比べると、設定の効果が分かる
本記事では、次のような小さな比較を提案します。まずプロジェクトを保存し、現在のバッファー値と、問題が出る箇所をメモします。その後、設定を一段階変え、同じ箇所を同じ条件で再生します。
「プチプチ音は減ったか」「演奏時の返りは許容できるか」を別々に記録しましょう。値だけでなく、どの曲のどの状態で試したかを残すことが大切です。
Ableton Liveではオーディオ設定が入口ですが、WindowsのASIO機器では、機器専用のコントロールパネルから変更する場合があります。設定欄が動かせないだけで故障と決めないでください。(資料1)
バッファーを小さくしても遅いなら、追加の処理を見直す
Abletonの説明では、遅延には音声の変換、ドライバー、OS、DAW内の処理などが関係します。バッファーの数字だけが、耳に届くまでの遅れの全部ではありません。(資料2)
特に、先読みなどを行うプラグインは遅延を追加する場合があります。さらにLiveでは、デバイスの黄色い有効・無効ボタンを切るだけでは、そのデバイスの遅延は取り除かれないと説明されています。(資料2)
ただし、この記事を読んでプラグインをまとめて削除する必要はありません。原本を保存したうえで比較用のプロジェクトを用意し、使っている処理と症状を講師やサポートに伝えるところから始めます。
直らない音切れを、すべてバッファーのせいにしない
Abletonは、CPU負荷のほか、ストレージの読み書きやケーブル・接続の問題も、音切れの確認対象に挙げています。(資料1)設定を変えても結果が同じなら、「もっと大きく」を繰り返すだけでは原因を絞れません。
比較メモに、軽いプロジェクトでも起きるか、録音中だけか、再生でも起きるかを書き足します。一度にOS設定やドライバー、複数の接続を変えず、確認する範囲を狭く保ちましょう。
目標は、小さい数字ではなく安心して演奏できる状態
音切れはなくなったものの、返ってくる音が遅くて弾きづらい。その場合も「解決」とは言い切れません。安定性と演奏時の感覚の両方を、次の調整へ持ち越す必要があります。
講師には「バッファーを変えたら音切れは減ったが、返りが遅い」のように、改善した点と残った点を分けて伝えてください。本記事は公式資料から整理した判断手順で、特定の数値やパソコンで無遅延を保証するものではありません。
参考資料
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Ableton — How to avoid crackles and audio dropouts https://help.ableton.com/hc/en-us/articles/209070329-How-to-avoid-crackles-and-audio-dropouts
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Ableton — How Latency Works https://help.ableton.com/hc/en-us/articles/360010545559-How-Latency-Works
確認日:2026-10-11