録音が小さい・割れるときは、入力ゲインとヘッドホン音量を分けて調整する

声が小さく聞こえるのでつまみを上げたら、次の録音が割れてしまった。オーディオインターフェースには、録る音を調整するつまみと、自分が聞く音を調整するつまみがあります。

最初に確認したいのは、どちらを動かしているかです。耳に届く大きさだけで、保存される録音レベルを決めないようにしましょう。

録る入口と、聞く出口は別の役割

Scarlett 2i2第4世代の公式ガイドでは、入力ゲインはパソコンへ送る入力レベルを調整し、ヘッドホンの音量つまみはヘッドホンへ出すレベルを調整すると説明されています。(資料1)

この機種を例にすると、録音が適切なレベルでも、聞く側の音量が低ければ小さく感じます。逆に、聞く音量を下げて静かにしても、録る入口の設定を下げたことにはなりません。

自分の機器の説明書で「Gain」「Headphones」などの役割を確かめ、まずどの入力を見ているかを決めてください。見た目が似たつまみでも、機種ごとの配置や働きは同じとは限りません。

ゲインの正解を、つまみの角度だけで決めない

必要なゲインは、音源の大きさ、マイクの種類、音源との距離で変わるとFocusriteは説明しています。つまみの回転量と増幅量も、常に一定の比例関係ではありません。(資料2)

「友人は半分だから自分も半分」「かなり回すから故障」という判断ではなく、実際に録る声や楽器で入力メーターを確認します。本記事では、小声の確認だけで終えず、曲の中で強く歌う部分や弾く部分も短く試すことを提案します。

最大まで詰めず、大きな音のための余裕を残す

Focusriteは、デジタル録音で限界ぎりぎりのレベルを狙い続ける必要はないと案内しています。ピークが約−12 dBFSになる程度を例として示し、急に大きな音が入る余裕を残す考え方を説明しています。(資料2)

これは全機器・全用途で固定すべき数値ではありません。講師や録音先から指定があれば、その条件も確認します。大事なのは、普段の音だけでなく強い音でも、入力が過大になっていないかを見ることです。

録音中のクリップ表示やひずみが出るなら、そのまま本番を続けず、入力側を確認して短いテストを録り直します。音を大きく聞きたいという理由だけで、入力ゲインを上げ続けないでください。

割れて録れた音は、再生音量を下げるだけで元には戻らない

録音済みのクリッピングは、単に聞く音が大きい問題と分けます。Audacityの「Clip Fix」も、失われた信号を補間して復元を試みる機能で、効果が期待できるのは軽いクリッピングと説明されています。(資料3)

そのため「あとで音量を下げれば、どんなひずみも直せる」と考えて本番を進めないほうが安全です。元のファイルは残し、再録できるなら、原因を直して録り直す方法を先に検討します。修復機能の効果をこの記事が保証するものではありません。

相談用メモは、入力メーターと録音の再生を分ける

「入力メーターでクリップが出る」「入力では問題が見えないが、録音後の再生で割れる」「別の音源も同じヘッドホンでひずむ」。このように、どこで異常を確認したかを伝えると、確認範囲を絞れます。

まず録る入口を整え、その後で聞きやすい音量にする。この順序を意識しましょう。これは公式資料に基づく切り分け案であり、読者の機器で音割れの原因を特定した結果ではありません。

参考資料

  1. Focusrite — 2i2 4th Gen Studio Pack hardware features https://userguides.focusrite.com/hc/en-gb/articles/28594383888914-2i2-4th-Gen-Studio-Pack-hardware-features

  2. Focusrite — How high should I set the gain control on my interface? https://support.focusrite.com/hc/en-gb/articles/208958089-How-high-should-I-set-the-gain-control-on-my-interface

  3. Audacity — Clip Fix https://manual.audacityteam.org/man/clip_fix.html

確認日:2026-10-11