ギターから「ビリビリ」と音がすると、もっと強く握れば直るのか、楽器が故障しているのか迷います。原因を決めつける前に、どの条件で鳴るかを確認しましょう。
この記事は、初心者が先生や販売店へ相談するための観察手順です。トラスロッドを回す、ナットを削る、弦高を決め打ちで変更する、といった修理手順ではありません。
「ビビり」という音だけでは原因を決められない
Fenderは、振動する弦がフレットに当たることで生じる音をフレットバズとして説明し、押さえる位置や力、弾く強さに加え、楽器の調整状態も確認点に挙げています。(資料1)
Taylorは、金属的な振動音がフレットだけでなく、緩んだ金具から生じる場合もあると注意しています。(資料2)したがって、ビリビリ聞こえたことだけで「ネックが反った」とは判定できません。
初心者だから必ず押さえ方が原因とも、買ったばかりだから調整の問題は絶対にないとも考えず、まず条件を記録します。
開放弦と、押さえた音を分けて聞く
最初に、いつもの姿勢と調弦で一本ずつ開放弦を鳴らします。次に、気になる音が出るフレットを押さえ、同じくらいの強さで弾きます。曲の途中を速く弾くより、同じ音をゆっくり確かめるための手順です。
メモには「2弦の開放では気にならないが、3フレットを押さえると出る」のように、弦と場所を書きます。「低い音で出る」だけより、相談時に再現しやすくなります。
開放弦でも鳴るかどうかは有用な情報ですが、それだけで故障箇所は確定しません。特定のフレットだけ、広い範囲、強く弾いたときだけ、といった違いも続けて確認してください。
押さえる位置を先に見直し、力だけを足さない
Fenderは、指がフレットから離れすぎている場合にビビりやすいと説明しています。(資料1)押さえる音の金属フレットに近い位置、つまりそのフレットのヘッド側へ指先を置けているかを確認します。金属の線そのものへ指を載せる説明ではありません。
次に、音が鳴るのに必要な力が入っているかを試します。ただし、位置が曖昧なまま、痛くなるほど強く握るのは避けてください。
指の位置を変えたら、弾く強さはなるべく同じにします。比較する条件を一つずつ変えることで、「置く場所を変えると違った」と先生へ伝えられます。
弾く強さと、最近変えたことも記録する
強く弾いたときだけビビるなら、いつもの強さと少し控えた強さで聞き比べます。FenderとTaylorは、強いストロークもビビりの原因になり得るとしています。(資料1・2)
また、弦を違う太さへ交換した、調弦を変えた、保管環境が変わった、といった前後関係も伝えます。これらは原因の候補を絞る情報であって、単独で「弦交換が原因」と断定する証拠ではありません。
| 伝えたいこと | メモの例 |
|---|---|
| 弦と場所 | 3弦の5フレット付近で気になる |
| 開放と押弦の違い | 開放では気にならない |
| 強さによる違い | 強く弾くと目立つ |
| 発生した時期 | 弦を交換してから気づいた |
| 音の聞こえ方 | 生音で聞こえる、アンプでも気になるなど |
上の表は記録の例で、特定の組み合わせから故障箇所を診断する表ではありません。
改善しないときは、同じ状態を見てもらう
押さえ方や弾く強さを見直しても続く場合、先生やギター技術者に実物を確認してもらいます。Fenderは低い弦高、不均一なフレット、ネックなどを技術者が確認する例として挙げ、Taylorも分からない調整は専門家へ相談するよう勧めています。(資料1・2)
相談時には、先ほどのメモと、可能なら短い録音を用意します。録音では伝わりにくいこともあるので、「音が小さく録れたから問題なし」とは判断しません。
ビビりを見つけたら、力で押し切る前に条件を分けること。自分で安全に確かめる範囲と、楽器の調整が必要かを判断してもらう範囲を分けておくと、不要な自己調整を避けながら次へ進めます。
参考資料
-
Fender — 5 Ways to Cut the Buzz https://www.fender.com/articles/techniques/5-ways-to-stop-fret-buzz 確認日:2026-10-11
-
Taylor Guitars — How to Fix Fret Buzz https://blog.taylorguitars.com/how-to-fix-fret-buzz 確認日:2026-10-11