ピアノをMIDIで録ったら、一音だけ飛び出して聞こえる。トラックの音量を下げると、その一音だけでなく旋律全体が引っ込んでしまう。そんなときは、どの範囲を直したいかから操作を選びます。
ここではMac用Logic Proのピアノロールで編集できるMIDIノートを扱います。マイクで録音した声の波形に、同じ操作を使う説明ではありません。
ベロシティは一音ごと、トラック音量は全体のバランス
Appleは、ベロシティを鍵盤がどのくらい強く弾かれたかを示す情報として説明しています。通常は音量に対応しますが、フィルタなど別の音源パラメータを制御することもあります。(資料1)
一方、トラックのボリュームは、プロジェクト内のトラック同士の音量バランスを取るためのものです。(資料2)「一音だけ気になる」と「ピアノ全体が伴奏より大きい」を、同じつまみで解決しようとしないことが出発点になります。
| 困っていること | 最初に確認する対象 |
|---|---|
| 特定の一音の出方が強い | そのMIDIノートのベロシティと音源の反応 |
| 旋律全体が伴奏に対して大きい | トラック全体のボリューム |
| 音の出るタイミングがずれている | ベロシティとは別のタイミング編集 |
これは作業範囲を整理する表です。音の違和感の原因が必ずベロシティだと診断するものではありません。
気になるノートだけを選んで試す
公式手順では、ピアノロールでノートを選び、ヘッダの「ベロシティ」スライダを操作できます。ベロシティツールを使う方法もあります。(資料1)
まず一音を選んで少し変え、前後の音も含めて聞き直す方法を試します。一音だけを単独で鳴らすとよくても、フレーズに戻すと弱すぎることも考えられるからです。
変更前の値と対象の小節をメモし、プロジェクトのコピーを残しておけば、比較の基準を見失いにくくなります。最初から全ノートをそろえるのではなく、困っている範囲に絞りましょう。
数値を下げたら、音色も変わる場合がある
ベロシティは音量だけの情報として働くとは限りません。(資料1)そのため、「少し小さくしたかっただけなのに、音の出方まで変わった」というときも、すぐにソフトの不具合とは判断できません。
本記事では、同じ音源・同じ短いフレーズで、音量だけでなくアタックや響きも聞き比べることを提案します。別の音源へ切り替える操作まで同時に行うと、何が変化の原因だったか分かりにくくなります。
また、ベロシティの数字を倍にすれば、耳に聞こえる大きさも必ず倍になる、という計算には使いません。求める表現は実際に鳴った音で確かめてください。
複数ノートの変更は、同じ値へそろえる操作とは別
Logic Proの通常の複数ノートのベロシティ編集は、ノート間の値の差を保ちながら動かす仕組みです。ただし上限・下限に達したときの制限や、修飾キーで動作を変える方法があります。同じ値へそろえる操作も別に用意されています。(資料1)
「まとめて少し弱くする」と「全部同じ値にする」は、結果が違います。強弱のつながりを残したい場合は、どちらの操作をしているかを確認しましょう。
元の演奏との差を、説明できる形で残す
先生への相談では、「全体の音量はそのままで、この小節の一音のベロシティだけを下げた」と伝えると、変更の狙いが共有できます。
ピアノロールの見た目が均等になったことを、演奏がよくなった証拠にはしません。旋律をどう聞かせたいかを先に決め、必要な音だけを調整し、最後に伴奏と合わせて確かめる順序で使いましょう。
参考資料
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Apple — Mac用Logic Proのピアノロールエディタでベロシティを編集する https://support.apple.com/ja-jp/guide/logicpro/lgcpa8fee137/mac
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Apple — Mac用Logic Proでトラックのボリュームレベルを設定する https://support.apple.com/ja-jp/guide/logicpro/lgcp86b5c092/mac
確認日:2026-10-11