音符の点は伸ばす印、それとも短くする印?付点とスタッカートを見分ける

「点が付いた音は長くする」と習ったのに、別の楽譜では「短く切って」と言われた。同じ点に見えても、付いている場所と役割が違います。

まず、音符の右側にある付点なのか、音符の上や下にあるスタッカートの点なのかを確認しましょう。音の長さを数える記号と、音のつなぎ方を指示する記号を分けます。

右側の付点は、元の長さの半分を加える

Open Music Theoryは、音符や休符の後ろに置かれた付点が、元の長さの半分を加えることを説明しています。(資料1)例えば付点四分音符は、四分音符に八分音符を足した長さです。

四分音符を一拍として数える場面なら、一拍と半拍で合計一拍半になります。これは音符の長さの関係を計算したもので、どの拍子でも四分音符を一拍とする、という意味ではありません。

まず点を除いた元の音符が何かを見て、その半分を加えます。点の数が増える場合の読み方まで一度に覚えようとせず、今の課題にある一つの付点から確かめてください。

上下のスタッカートは、短く離して鳴らす指示

ピアノ学習サービスflowkeyは、スタッカートを短く切り離された音と説明し、音符の上または下の点で示すとしています。(資料2)こちらは、付点のように音価へ半分を加える記号ではありません。

点の位置・種類 見ること 四分音符での整理
右側の付点 数える長さ 元の長さに半分を加える
上下のスタッカート 鳴らし方 短く離すが、次の音の位置は別に保つ

画像が小さくて位置を見分けられないときは、拡大した原本を確認します。汚れや書き込みを演奏記号だと思い込まないためにも、切り抜きだけより前後が分かる楽譜を使います。

音を早く切っても、次の音を早めるわけではない

Doricoの公式説明は、楽譜上の長さと、実際に鳴る長さを区別しています。スタッカートの音は、記譜された長さより短く再生される例が示されています。(資料3)

例えば四分音符が一拍ごとに四つ並び、すべてスタッカートだとします。短く鳴らして離した後も、次の拍までの時間を詰めません。「音を切る→すぐ次を弾く」と続けると、四つの音が予定より早く終わってしまいます。

練習では一定の拍を数え、各拍の出だしで鳴らします。音を離した後の空白も、その拍の中の時間として感じてみましょう。これはタイミングを確かめる練習案で、すべての曲の奏法を指定するものではありません。

「必ず半分」「できるだけ短く」と固定しない

スタッカートの具体的な切り方は、楽器、曲の性格、テンポ、周囲の記号と合わせて考える部分です。flowkeyも、アーティキュレーションの実行は演奏者や曲の文脈で異なると説明しています。(資料2)

そのため、点だけを見て「どんな曲でも正確に半分の長さ」「どんな場合も最短で離す」と固定しません。まず先生のお手本と同じ短い部分を比べ、どのくらい離すと求める表情になるかを確認します。

ペダルなど別の操作が関わる場合も、点の意味だけで一括して決めません。短く弾いたつもりなのに響きがつながるなら、何を操作しているかも一緒に伝えます。

迷ったら「長さ」と「鳴らし方」を別々に聞く

「この点は付点ですか、スタッカートですか」に続けて、「次の音は何拍目に入りますか」と確認します。記号の名前を知るだけでなく、次の出だしまで説明できれば、自宅でも練習を再現しやすくなります。

参考資料

  1. Open Music Theory — Rhythmic values(Dots and ties) https://open-musictheory.github.io/docs/fundamentals/rhythmic-values/ 確認日:2026-10-09

  2. flowkey — Piano Articulations: Everything You Need to Know https://www.flowkey.com/en/piano-articulations 確認日:2026-10-09

  3. Steinberg — Dorico Pro 6.1: Played vs. notated note durations https://www.steinberg.help/r/dorico-pro/6.1/en/dorico/topics/key_editor/key_editor_notes_duration_played_notated_c.html?contentId=SOxwDREEXFSW8msRPHPP~w 確認日:2026-10-09