楽譜のタイとスラーはどう違う?音の持続とつなぎ方の指示を分ける

楽譜で隣り合う音符の上に曲線がある。「もう一度弾くのか、弾かずに伸ばすのか」と迷ったら、線の長さだけで決めず、結ばれた音と前後のフレーズを確認しましょう。曲線の代表例には、タイとスラーがあります。見た目は似ていますが、指示していることが違います。

タイは、同じ高さの音を一つの長さにする

楽譜作成ソフトDoricoの公式説明では、タイは同じ高さの隣り合う音を結び、一つの長さとして扱う記号です。演奏者は結ばれた途中で改めて音を鳴らし直しません。(資料1)

例えば、四分音符のドと、続く同じ高さの二分音符のドがタイで結ばれていれば、計算上は四分音符三つ分の長さを、ひと続きに保つことになります。途中に小節線があっても、タイならその位置で機械的に弾き直しません。

ここでいう「同じ高さ」は、ただ音名が両方ドというだけでなく、オクターブも同じ音を指します。離れたオクターブのドへ動くことを、同じ音のタイだと思わないようにします。

スラーは、いくつかの音をどうつなぐかの指示

同じDoricoの解説では、スラーは音のつなぎ方やフレーズを示す記号です。普通は高さの異なる音をまとめますが、繰り返される同音を含む場合もあり、「違う音だけがスラー」と機械的に言い切れません。(資料1)

たとえば「ド・レ・ミ」にスラーがかかっている場合、それぞれの音高は変わります。ピアノなら音と音の隙間を意識し、管楽器や弦楽器では息・タンギング・運弓の扱いを講師に確認します。すべての楽器で、同じ指使いになるわけではありません。

見た目に迷ったら、三つを順番に見る

確かめるところ 読み方の手掛かり
曲線が結ぶ音符 同じ音高かを確認し、タイだけでなく同音を含むスラーも区別する
途中に別の音があるか 複数音をまとめる線ならスラーの可能性がある
どう演奏するか タイなら途中で再発音せず持続、スラーなら音のつなぎ方を確認

この表はすべての特殊な記譜を自動判定する規則ではありません。スラーが同じ音を含む例や、他の演奏記号が重なる場合もあります。出版社の注記、教材、講師の指示を優先します。

「全部なめらか」でも、タイとスラーは置き換えられない

タイの二つ目の音を弾き直すと、指定された持続とは違う結果になります。一方、スラーの中の音は通常それぞれの高さを演奏します。スラーを見て、最初の一音だけを伸ばし続けるのも違います。

特に伴奏と合わせるときは、タイの持続時間を数え間違うと、次の拍への入り方までずれます。メトロノームの数字を変える前に、結ばれた音符の長さと次の出だしを確認しましょう。

練習する場所を一つだけメモする

分からない小節に印を付け、「この二つは同じ高さ。二つ目を打鍵せず持続ですか」「ここは音を変えながら、どのようにつなぎますか」と具体的に聞くと、次の練習が明確になります。

楽譜の線を丸暗記するより、途中で鳴らし直さず伸ばすのか、それぞれの音のつなぎ方を指定するのかという演奏上の判断へ結び付けて読みましょう。

参考資料

  1. Steinberg — Dorico Pro 6.1: Ties vs. slurs https://www.steinberg.help/r/dorico-pro/6.1/en/dorico/topics/notation_reference/notation_reference_ties/notation_reference_ties_versus_slurs_c.html

確認日:2026-10-09