三連符なら「タ・タ・タ」と弾けるのに、真ん中が休符になると分からなくなる。残った二つの音を均等に弾いたら、先生のお手本と合わない。そんなときは、音を出す回数ではなく、三つに分けた時間の位置を確認します。
ここでは4/4拍子で四分音符を一拍として数え、その一拍に八分音符の三連符が入る場合を扱います。「三連符はどの音符でも必ず一拍分」という説明ではありません。
一拍を二つに分けるか、三つに分けるか
ピュージェットサウンド大学の音楽理論教材では、四分音符の長さに通常の八分音符なら二つ、八分音符の三連符なら三つが入る例を説明しています。(資料1)
同じ一拍の中へ音を増やすのであって、一拍自体を長くするのではありません。普通の八分音符を「タ・タ」、三連符を「タ・タ・タ」と数えるときも、次の拍が来る位置はそろえます。
練習では、まず一定の拍を手で打ち、その間を声だけで二つ、次は三つに分けてみましょう。声の言い方は自由ですが、三つを数えた後に余分な間を足すのではなく、一拍の流れの中に均等に収めるのが、この練習の目標です。
真ん中が休符でも、三つの場所は残る
楽譜作成サービスFlatの公式ヘルプにも、音符だけでなく休符を含む三連符の入力例があります。(資料2)三連符の中に休符があること自体は、特別な例外ではありません。
一拍を三等分した場所を、練習用に「頭・中・後」と呼んでみます。どこで鳴らし、どこで鳴らさないかを変える自作例です。
| 三等分した位置 | 頭 | 中 | 後 |
|---|---|---|---|
| 三つとも音符 | 鳴らす | 鳴らす | 鳴らす |
| 真ん中が休符 | 鳴らす | 休む | 鳴らす |
| 最初が休符 | 休む | 鳴らす | 鳴らす |
| 最後が休符 | 鳴らす | 鳴らす | 休む |
二行目で音が二つになっても、「一拍を二等分」へ変更しません。三つの場所のうち、真ん中だけが無音になっています。休んでいる部分を詰めると、最後の音を早く出してしまいます。
二つの音の間隔は、普通の八分音符と違う
真ん中が休符の例では、最初の発音から次の発音までが一拍の三分の二、最後の発音から次の拍までが三分の一です。これは、三等分した枠から計算した関係です。普通の八分音符二つの「半分・半分」とは一致しません。
この説明は発音する位置の間隔を示しています。最初の音を三分の二拍ずっと伸ばしてよい、という意味ではありません。真ん中は休符なので、鳴らす音の長さと、次に鳴らすまでの間隔を分けてください。
「音が二つしかないから二つに分ける」と読むのではなく、上の数字やかっこで、どこまでが三連符なのかを先に確かめます。数字の3を指番号や小節番号と取り違えないことも大切です。
最初は、休符の場所だけ手を打たない
自宅で試すなら、三つの場所を声で均等に数えながら、音符の場所だけ手を打ちます。真ん中が休符なら、声の数え方はそのままに、真ん中だけ手を止めます。できたら、休符の場所を頭の中で数える形に変えてみましょう。
これは数える位置を確かめる練習案です。実際の演奏で休符のたびに声を出す必要はありません。最初から楽器の音程や指使いも加えるより、まず一拍の長さが崩れていないかを確認するために使います。
三連符だけを繰り返すとできても、次の音で止まる場合は、次の拍の最初の音までを練習範囲に入れます。三連符の最後で時間を足していないか、逆に休符を飛ばしていないかを見つけられます。
数字の3だけで、長さまで決めない
Flatは八分音符の三連符と四分音符の三連符を別に例示しています。(資料2)数字が同じでも、中にある音符と全体の範囲を見ずに、同じ速さで三回弾くことはできません。
レッスンでは「この三連符全体は何拍分ですか」「真ん中は休むけれど、次の音は三等分した最後の位置ですか」と尋ねると、分からない部分が明確になります。三連符の名前を覚えるより、休符を含めた時間の枠と、その次の拍を共有することが先です。
参考資料
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Robert Hutchinson / University of Puget Sound — Music Theory for the 21st-Century Classroom: 4.5 Tuplets https://musictheory.pugetsound.edu/mt21c/Tuplets.html
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Flat — Tuplets https://help.flat.io/en/music-notation-software/tuplet/
確認日:2026-10-10