ピアノの練習に目標が欲しいとき、ヤマハの演奏グレードは選択肢になります。ただし、同じ級にもA・Bのコースがあり、数字だけで準備内容は決まりません。まず「どの力を確かめたいか」と、いま習っている内容を結び付けて選びましょう。
この記事は、学習者向けのピアノ演奏グレード10〜6級を扱います。指導者向けのグレードや、ほかの楽器の試験条件を混ぜて説明するものではありません。
大人も、ヤマハ以外で習っている人も対象
10〜6級の公式案内には、年齢・学歴・国籍等による制限はないと明記されています。FAQも、ヤマハ音楽教室に通っていない人や、ヤマハ以外の先生に習っている人が受験できると説明しています。なお、要項では試験は日本語のみの対応とされています。
ただし、受験できることと、希望の級に必要な準備ができていることは別です。「子どもの頃に何年習った」という年数だけで級を決めず、現在弾ける曲や、楽譜を初めて見たときの様子を先生に聞いてもらうところから始めます。
Aは演奏中心、Bは総合的な力を学ぶ人向け
現行要項とFAQの区分は、次のようになっています。
| コース | 学習の方向 | 試験に含まれる内容 |
|---|---|---|
| Aコース | 演奏を中心に学ぶ | 自由曲、課題曲、初見演奏 |
| Bコース | 音楽を総合的に学ぶ | 自由曲、初見演奏、聴奏に加え、10〜8級は伴奏づけ、7・6級は即興演奏 |
「初見演奏」は初めて示される楽譜を読みながら弾く課題です。Aにも含まれるため、練習した曲の披露だけで終わる試験とは考えないでください。
また、Bを単に「Aより上のコース」とみなす必要はありません。曲の演奏を軸に練習しているのか、伴奏や聴奏も普段から学んでいるのか、学習の方向を確かめる区分です。Bに必要な課題をほとんど経験していないなら、まず内容を先生と試し、準備の見通しを相談します。
古い問題集だけで決めない理由
2025年11月1日以降に実施する試験から、Bコースの出題範囲や出題方法が一部変わりました。公式の変更案内は、調性・和音の範囲に加え、8級の伴奏づけ、7・6級の即興演奏の変更を挙げています。Aコースの内容には、この改定による変更はありません。
2026年10月8日の確認時点で、公式ページから案内されているのは「2025年11月改訂版」の受験要項です。手元の教材が古い場合、すべて使えないと決めるのではなく、どの課題が現行要項と一致するかを確認してください。
教室へは教材名だけでなく、発行時期や目次、練習しているページを見せると照合しやすくなります。動画の印象だけで試験全体を把握したつもりにならず、受ける級とコースの条件を要項で読みます。
受験料と日程は、準備が見えた段階で確認
現行案内の税込受験料は、10級が5,500円、9・8級が6,600円、7・6級が7,700円です。これは受験料で、準備のためのレッスン料や教材費を含む金額ではありません。
要項では、ヤマハ音楽教室に通う人は担当の先生・会場へ、それ以外のレッスンに通う人は近くのヤマハ特約楽器店へ日程を問い合わせる流れになっています。全国一律の開催日があると考えず、自分が受ける会場で確かめましょう。
申し込み後の自己都合による変更・受験料返却はしないとの規定もあります。一方、要項には試験が中止された場合の返金について別の説明があります。「理由を問わず返金なし」と広げず、申し込み前に該当する条件を読みます。
先生には、級の希望と確かめたい力を一緒に伝える
「この級に受かりたい」に加え、「練習した曲は弾けるが、初見は経験が少ない」「伴奏づけも学ぶ目標にしたい」と伝えてみてください。選ぶコースと普段の練習が結び付けば、試験を、今後何を学ぶか整理する機会として使えます。
参考資料
ヤマハ音楽振興会 — ピアノ演奏グレード10〜6級 https://school.jp.yamaha.com/grade/examination/piano/grade10-6_201811.html
ヤマハ音楽振興会 — ピアノ演奏グレード10〜6級 受験要項(2025年11月改訂版、冊子2〜3ページほか) https://school.jp.yamaha.com/grade/examination/pdf/piano_grade10-6_202511.pdf
ヤマハ音楽振興会 — よくあるご質問(10〜6級) https://school.jp.yamaha.com/grade/faq/
ヤマハ音楽振興会 — 「ピアノ・エレクトーン演奏グレード10〜6級」内容変更および受験料改定のご案内 https://school.jp.yamaha.com/grade/notice/notice074.html
確認日:2026-10-08